ほむすめ舞

お米の「うま味」の構造において非常にユニークな立ち位置にある品種です。
栃木県の「とちぎの星」が、しっかりした大粒と弾力で「食べ応え」を強調しているのに対し、「ほむすめ舞」は「低アミロース」による柔らかさと、粘りの強さ(もちもち感)を極めた、いわば「癒やし系」の食味が特徴です。
名前の由来
稲穂が実り、黄金色に輝く田んぼで「たくさんの娘が舞い踊っている」ように見えることから名付けられました。生産者が娘を嫁に出すような慈しみの心で育てたお米、という意味も込められています。
「ほむすめ舞」の成分的な特徴
「ほむすめ舞」は、「夢ごこち」という非常に食味評価の高い品種と、多収性の「ふくひびき」を交配して生まれた品種です。
低アミロース系の性質: アミロース含有量が低めに抑えられており、炊き上がりが非常に柔らかく、強い粘りを持ちます。これはデンプンの構造(アミロペクチン)が密であることを示しており、噛むほどに「お餅のような甘み」が強く出てきます。
アミノ酸と甘みのバランス: 「夢ごこち」の血統を継いでいるため、単なる甘みだけでなく、アミノ酸由来のコクがしっかりしています。口の中で「とろけるような」食感とうま味が同時に広がるのが魅力です。
粒の形状: 粒はやや小ぶりで丸みを帯びており、表面が非常に美しく輝く(光沢が良い)特徴があります。

  • 味わいと「うま味」の重層構造
    「ほむすめ舞」のうま味を分解すると、以下のようになります。
    食感(テクスチャ)
    非常に柔らかく、ほむすめ舞のモチモチ感は華やかなもっちりです、これは圧力IH炊飯器で炊き立てを食べるとほとんどの方に実感していただけると思います。お米同士がしっかり密着するような粘り。
    味(ボディ感)
    濃厚な甘み。冷めても硬くならず、むしろ甘みが凝縮される。
    香り
    炊き立ての際、お米本来の芳醇で優しい香りが強く立ち上がる。

「ほむすめ舞」を美味しく炊くコツ

このお米は「柔らかさ」と「粘り」が強いため、炊飯には少しコツが必要です。
水加減を「少なめ」にする: 低アミロース米の共通点として、標準の水加減で炊くと柔らかくなりすぎることがあります。メモリより数ミリ下の、やや少なめの水で炊くと、このお米の良さである「もちもち感」と「粒の独立感」が両立します。
洗米は手早く: 吸水性が良いため、最初のすすぎは特に素早く行い、ぬか臭さを吸わせないようにしてください。
浸水時間は標準でOK: 大粒の「とちぎの星」とは異なり、吸水がスムーズなので、30分〜1時間程度の標準的な浸水で十分に芯まで水が行き渡ります。

おすすめの食べ方
その粘りの強さと濃厚な甘みから、「和食のおかず」、特に煮物や焼き魚など、しっかりした味付けの料理によく合います。また、冷めても驚くほど柔らかいので、お弁当やおにぎりにすると、他のお米との違いがはっきりと分かります。