夢ごこちの説明
水稲品種「夢ごこち」は、コシヒカリをさらに進化させたような「極良食味」と、もち米に近い「強い粘り」が最大の特徴です。
(株)神明育種研究所(旧:植物工学研究所)がコシヒカリの突然変異株から育成した品種で、その名の通り「夢心地になるほど美味しい」ことから名付けられました。


1. 食味・食感の特性

  • 強い粘りと弾力: 低アミロース米(アミロース含有量がコシヒカリより1〜2%低い)のため、非常に粘りが強く、もちもちとした弾力があります。

  • 濃厚な甘み: 噛むほどにしっかりとした甘みと旨みが広がる、存在感の強い味わいです。

  • 冷めても美味しい: 保水力が高いため、冷めても硬くなりにくく、お弁当やおにぎりに最適です。

2. 栽培・農学的特性

  • 栽培が難しい: コシヒカリの特性を受け継いでいるため、倒伏(稲が倒れること)しやすく、肥料管理や水の管理に高い技術が求められます。

  • 希少性:生産者や産地が限定されていることが多く、流通量が少ないため「幻の米」と呼ばれることもあります。

  • 収量: コシヒカリに比べると収穫量はやや少なめですが、玄米の品質(農産物検査法による品質)は良好で食味はコシヒカリを超えています。

3. おすすめの食べ方

  • お米を主役に: 味の濃いおかずにも負けないパワーがあるため、和食全般はもちろん、お米そのものの味を楽しむ食べ方が向いています。

  • 水加減のコツ: 粘りが強いため、炊飯時は通常よりほんの少し(1〜2ミリ程度)水を少なめにすると、一粒一粒の輪郭が際立ち、より美味しく炊き上がると言われています。


「夢ごこち」は低アミロース米(アミロースが少ないお米)のため、一般的なコシヒカリよりも「吸水が速い」「粘りが出やすい」という特性があります。

1. 圧力IH炊飯器:シャッキリ感を出す
圧力IHは粘りを引き出す力が強いため、夢ごこちだと「お餅」のように柔らかくなりすぎることがあります。

  • 水加減: 目盛りより1〜2mm下(少なめ)に合わせます。

  • 浸水: 不要、または15分程度。炊飯器の標準コースには浸水工程が含まれていることが多いため、洗ってすぐ炊くのがベタつきを防ぐコツです。

  • 設定: 「かため」「しゃっきり」モードを選択。

    • ※「ミルキークイーン」や「ゆめぴりか」の銘柄設定があれば、それを使うのがベストです。


2. 土鍋:香ばしさと弾力を楽しむ
土鍋は、火加減による微調整がきくため、夢ごこちの豊かな甘みを引き出すのに向いています。

  • 水加減: 米の容量の1〜1.1倍。通常(1.2倍)より控えめにします。

  • 浸水: ざるに上げた状態で20〜30分。水に浸けっぱなしにすると柔らかくなりすぎるため、「ざる浸水」がおすすめです。

  • 火加減:

    1. 中強火で加熱し、沸騰(蒸気が勢いよく出る)まで約10分。

    2. 沸騰したら弱火(とろ火)にして5〜7分。通常より短めにすることで、ベタつきを防ぎます。

    3. 火を止め、15分しっかり蒸らします。


3. ぬか窯(もみ殻を燃料とする伝統的な炊飯)
ぬか窯は火力が非常に強く、一気に炊き上げるため、夢ごこちの「粒感」が最も際立つ贅沢な方法です。

  • 水加減: 羽釜の目盛り、または米と同量の水。

  • 炊き方のコツ:

    • ぬか窯は途中で火力を落とせないので、「吹きこぼれ」をしっかりさせることが重要です。

    • 勢いよく吹きこぼれた後、煙が白から青透明に変わり、香ばしい匂いがしてきたらすぐに「火(もみ殻)から下ろす」判断をしてください。

  • 蒸らしの工夫: ぬか窯は余熱が強いため、蒸らし時間は10分程度と短めにし、すぐに蓋を開けて「シャリ切り(ほぐし)」を行ってください。そうしないと、底が焦げすぎたり、全体が柔らかくなりすぎたりします。


全手法共通のポイント
「夢ごこち」は冷める過程でさらに甘みと粘りが落ち着き、美味しくなる品種です。炊き立てが少し柔らかく感じても、蒸らしの後に少し空気に触れさせると、理想的な「もちもち感」に仕上がります。
まずは「いつもより水を5~10%減らす」ことから試してみるのが一番の近道です。
また、保水膜と呼ばれるおねばの量が多く、この品種のおいしさの原点を作っています。