1. 「有機栽培いのちの壱」の圧倒的な成分バランス
この品種の最大の特徴は、何と言っても「粒の大きさ」と、それに伴う「うま味成分の含有量」です。
強烈な甘み(アミラーゼ活性) 噛んだ瞬間にデンプンを糖に変える反応が非常に速く、口に入れた瞬間に「甘い!」と感じるインパクトがあります。
香り成分の豊富さ 炊き上がりの甘い特別な香りが非常に強く、ナッツのような香ばしさとうま味が混ざり合った独特の芳香を持っています。
2. 「有機栽培」がうま味に与える影響
有機栽培(オーガニック)で育てられた「いのちの壱」は、成分バランスがさらに研ぎ澄まされます。
化学肥料を一切使わない有機栽培では、稲がゆっくりと育ちます。これにより、お米が硬くなる原因である「タンパク質」が抑えられ、より柔らかく、デンプンの甘みが際立つ構造になります。
微生物が豊かな土壌で育つため、根が深く張り、土中のミネラルをしっかり吸収します。これが、単なる甘みではない「味の深み(コク)」に繋がります。
3.炊飯時のポイントについて
「いのちの壱」は、その巨大な粒ゆえに「吸水スピードが非常に速く、表面が柔らかくなりやすい」という繊細な特徴があります。
「龍の瞳」いのちの壱を最高に輝かせる炊き方
1. 洗米(研がずに「洗う」)
粒が大きく、表面に亀裂が入りやすいため、ガシガシ研ぐのは厳禁です。
最初の水: ボウルに水を張ってからお米を入れ、2〜3回かき混ぜたらすぐに捨てます(乾燥したお米がヌカ臭い水を吸わないようにするため)。
仕上げ: 水を入れ替え、指先で優しく回すように2回ほどすすぐだけで十分です。
2. 水加減(目盛りより「少なめ」)
ここが最大のポイントです。いのちの壱はデンプン質が豊富で粘りが出やすいため、通常通りの水加減だとベチャつきがちです。
目安: 炊飯器の目盛りから**1〜2mm下(およそ5〜10%減)**に設定してください。
水の種類: 有機栽培の繊細な味を楽しむため、できれば軟水のミネラルウォーターか浄水器の水が理想です。
3. 浸水時間(「短め」が鉄則)
普通のお米は1時間ほど浸水させますが、いのちの壱でそれをやると粒が崩れてしまいます
時間: 15分〜20分で十分です。
冬場でも30分以上は浸けないようにしてください。シャキッとした粒感の中に、爆発的なうま味が閉じ込められます。
4. 炊飯モード
**「早炊きモード」**が意外にもおすすめです。
高温で一気に炊き上げることで、粒の外側をしっかりさせ、内側の甘みを凝縮させることができます。
5. ほぐし(優しく、切るように)
炊き上がったらすぐに蓋を開け、しゃもじを垂直に入れて、底から空気を入れるように優しくほぐしてください。粒を潰さないように「切る」イメージです。
究極の食べ比べ:1膳目と2膳目
このお米の面白さは、温度によるうま味の変化です。
1膳目(炊き立て): まずは何もつけずに。圧倒的な**「香りと口どけ」**を楽しんでください。
2膳目(少し冷めてから): いのちの壱は冷めると甘みがさらに落ち着き、「強烈な粘り」が出てきます。ここでお塩や、質の良い海苔を合わせるのが最高です。
「いのちの壱」を土鍋と圧力IHで炊き分ける場合、その「粒の大きさ」と「吸水性の高さ」をどう制御するかが鍵になります。
「龍の瞳」らしい野性味ある香りと粒感を楽しみたいなら → 土鍋
有機栽培の「いのちの壱」は、非常に贅沢なお米です。まずは土鍋で「しゃっきり」と炊き上げ、お米本来の生命力を味わってみるのが、個人的には一番のおすすめです。
1. 土鍋で炊く場合(香りと粒立ちを極める)
土鍋は遠赤外線効果で中心まで一気に加熱されるため、いのちの壱の「圧倒的な香り」を引き出すのに最適です。
水加減: お米の容量の1.1倍(通常は1.2倍ですが、少し減らす)。
浸水: 15分。 土鍋は加熱までに時間がかかるため、浸水時間は短めで十分です。
火加減のコツ
中強火で沸騰させる(約8〜10分で沸騰する火力が理想)。
沸騰したら、極弱火で10分。
最後に10秒だけ強火にして余分な水分を飛ばすと、大粒の表面がパキッと仕上がります。
蒸らし: 10〜15分。この間に粒の中までうま味が回り、巨大な粒が「カニ穴」を形成して立ち上がります。
とろけるような甘みと、まるでお餅のような粘りを楽しみたいなら → 圧力IH
圧力IHで炊く場合
圧力IHは高温・高圧でデンプンを強力にアルファ化させるため、いのちの壱特有の「もっちり感」と「強い甘み」を強調できます。
水加減: 炊飯器の目盛りの**「白米・しゃっきり」ラインのさらに1〜2mm下。
設定モード: 「しゃっきり」 または 「早炊き」 を選択してください。
理由: 圧力IHで「もちもち」や「熟成」モードを選ぶと、いのちの壱には圧力がかかりすぎて、粒が潰れたり、おねばが出すぎてベチャつく原因になります。
浸水: 炊飯器のプログラムに浸水が含まれているため、洗米後すぐにスイッチを入れてOKです。
ポイント: 炊き上がり直後の「ほぐし」を特に入念に行ってください。圧力がかかった大粒同士がくっつきやすいため、空気を入れて表面を冷ますことで、一粒一粒に美しいツヤが出ます。
ヌカ窯で炊く場合
ヌカ窯は、もみがらを燃焼させた際の**「圧倒的な強火」と、その後じわじわと続く「優しい余熱」が特徴です。粒が大きく繊細な龍の瞳をこの伝統的な方法で炊く場合、失敗を防ぎつつポテンシャルを引き出すには、以下の3つの急所**を押さえてください。
1. 水加減と浸水の「短縮」
ヌカ窯は火力が非常に強いため、通常は水を多めにしますが、龍の瞳の場合は**「控えめ」**が鉄則です。
水加減: お米の容量の1.1倍〜1.15倍(通常の半分以下の水加減を意識)。
浸水時間: 10分〜15分。
理由: ヌカ窯の羽釜は熱伝導が良く、沸騰までの時間が短いため、長く浸水しすぎると炊き上がりに粒が崩れて「のり」状になってしまいます。
2. ヌカ窯特有の「火力のコントロール」
ヌカ窯は「はじめチョロチョロ、なかパッパ」を全自動に近い状態(煙突効果)で行いますが、龍の瞳は**「なかパッパ」の時間を短く**するのがコツです。
着火〜沸騰: もみがらに火をつけ、勢いよく煙突から煙が出る状態にします。
沸騰のサイン: 羽釜の蓋からおねば(泡)が吹き出してきたら、そこから数分(2〜3分)だけ強火を維持し、その後はもみがらを追加せず、自然に火が落ち着くのを待ちます。
理由: 龍の瞳はデンプンの分解が早いため、強火で長く熱しすぎると焦げやすく、粒が溶けてしまいます。
3. 「余熱」を信じて待つ
ヌカ窯の最大の利点は、もみがらが灰になる過程で発する「遠赤外線」と「低温の余熱」です。
蒸らし時間: 火が消えかかってから20分以上、じっくり待ちます。
この「じわじわとした熱」が、巨大な粒の芯まで水分を浸透させ、龍の瞳特有のシルクのような肌触りと、爆発的な甘みを引き出します。
龍の瞳×ヌカ窯の醍醐味「おこげ」
ヌカ窯で炊くと、釜の底に薄い「おこげ」ができます。龍の瞳のアミノ酸と糖分が反応してできるおこげは、まるでキャラメルのような香ばしさがあります。
炊き上がって蓋を開ける際、龍の瞳は非常に香りが強いため、立ち上る湯気をまず思い切り吸い込んでみてください。有機栽培ならではの、土と太陽のエネルギーを感じる香りが広がります。

かぐや姫